らんらん

まぼろし天狗のらんらんのレビュー・感想・評価

まぼろし天狗(1962年製作の映画)
3.5
時は老中田沼(山形勲)が支配する腐った治世
与力守谷周馬(大川橋蔵)と相方高田浩吉は、菅貫太郎や桜町弘子が加担する悪事を暴こうとするも失敗、深手を負い逃げ延びた先で出くわしたのが周馬に瓜二つの容姿を持つ旗本浅川喬之助(大川橋蔵、2役)であった
浅川は700石のお殿様で今は無役、屋敷には彼を慕うゴロツキ(千秋実、河原崎長一郎ら)が出入りしており、天狗屋敷とも呼ばれていた
浅川は周馬に代わって裏で行われる悪を叩こうと奔走、そして闇の御前(月形龍之介)なる黒幕がいることをつきとめる、、、

これなかなかよく出来てるんじゃないかと思う、ストーリーが面白い
田沼ら上が腐っているのでその息がかかる奉行所も十手持ちも信用できない
自らの力と仲間たちの協力で悪を正さねばならないの
リアリティはあまりないんだけど、意外と良かったです

特にヒロインの桜町弘子が印象的な作品かなと
なんか『風の武士』っぽくない?とラストらへんで思った
主役の橋蔵も2役頑張ってます、改めていい男っぷりだなーって思った
あと酒場の女の子で志村妙子(太地喜和子)がちょい役で出てる
若くてぷっくりしてて丘さとみっぽくてかわいかった

そしてボス役の月形龍之介の出演シーンに違和感
常に車椅子?みたいなのに座っていて立つことはない
最晩年で健康やばいのかな?とか思ったけど、調べてみるとあと数年は現役してるし、、、でもやはり健康問題から来る演出だろうなー
闇の御前って名前だけは出て来るが、なかなか登場してこない
中盤やっと出たかと思いきや顔は影になっていて見えず、しかもずっと座ってる
まるでベールのかかった大魔王的な演出に見えてインパクトありました

全体的にはツッコミ所もやはりありますが、個人的には結構収穫もあって好きな部類、及第点の出来かと
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