みんと

カジュアリティーズのみんとのレビュー・感想・評価

カジュアリティーズ(1989年製作の映画)
4.1
ベトナム戦争で実際に起きた米兵による少女暴行事件を題材に、ブライアン・デ・パルマ監督が描く戦争ドラマ。
戦場における“罪と罰”の在り方を問いかけられる作品だった。

マイケル・J・フォックス演じる兵士の正義感と、常軌を逸してゆく上官役ショーン・ペンの悪意との衝突…
生々しくておぞましくて、見るに堪えないシーンの連続に心が折れそうになる。

いつ何時、命を落とすかもしれない戦場だから何をしても良い、いや だけらこそ人間として正しく生きたい。
…新兵が地雷により一瞬にして命を落としたあのシーンが印象的だった。

ちょっと西部劇チックなモリコーネが沁みる。当初 担当予定だったジョン・バリーだったらどんな風に感じただろう?そちらも観てみたかった。

戦場だろうが何処だろうが個人の生き方が試される。いや、戦場だからこそ個々の人間性が浮かび上がる。ただ、一方で人間の本質までも大きく覆すのが戦争でもある。

今も尚、時代を飛び越えて同じような事が行われているであろう現実に虚しさとやるせなさが湧き上がる。


勿論、当事者にしか分からない心の持って行き場。日常から遥かに外れた状況。
けれど、やはり、だからこそ、正しく生きたいと思える人でありたい。
みんと

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