明石です

カジュアリティーズの明石ですのレビュー・感想・評価

カジュアリティーズ(1989年製作の映画)
4.4
ベトナム戦争での実話を元にしたブライアンデパルマ監督の作品。
主演はバックトゥザフューチャーシリーズのマイケルJフォックス、準主演はカメレオン俳優のショーンペン。

ベトナム戦争を題材にした映画といえば「プラトーン」や「地獄の黙示録」が有名ですが、本作はまた違った趣の作品でした。

「ベトナム人を共産主義から救う」という大義名分を掲げて戦争に参加した主人公が、ベトナム人を傷つけ家畜のように扱う非道な米軍の姿を目にしていく物語。

Casualtyは「戦死者;犠牲者」という意味で記憶していたのだけれど、この映画の”casualty”は戦死者ではなく、慰安婦として強制的に連れ去られレイプされ殺された女性のこと。
監督自身見るのがツライと語っていたそうで、かな〜り重たい内容でした。

米兵がベトナム人を粗雑に扱うシーンが延々続く中、マイケルJフォックス演じる新兵だけはレイプを拒否し女性を逃がそうとするなど良心ある人で安心した。彼が最後上官に”Go to hell, sir”と言い放つシーンは痺れました。

一方でショーンペン演じる軍曹は根っからの性悪で、こんな前々世から悪人のような役を当たり前のようにこなせるショーンペン、演技の幅広すぎんか?と感心しちゃいました。(やはりショーンペンは「アイアムサム」や「俺たちは天使じゃない」のような根っからの善人イメージが抜けないので笑。)

個人的にはすごく好きな内容。戦争モノでは特にハマれました。
あと戦争映画は2時間半〜3時間と長尺のものが多い中、本作は2時間弱にまとまっているのも良い。全く飽きることなく一気見できました。

ブライアンデパルマ監督自身「ベトナム戦争を題材にした作品の中では1番の名作」と話していました。ただ彼自身悲惨すぎが内容に「2度は見たくない」とも話していましたが。
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