しゅん

バグダッドの盗賊のしゅんのレビュー・感想・評価

バグダッドの盗賊(1924年製作の映画)
-
主演のダグラス・フェアバンクス自身が脚本を務めた、ハリウッド初期の著名作。まぁサイレント期のオリエンタリズムだだ漏れの作品だろうし150分くらいあるし、どうせ今の自分がすぐに楽しめる類の映画ではないだろうと鷹をくくってたら、
めちゃくちゃおもしれーじゃねーの。
フェアバンクスの飛び跳ねる身体とニヤケた憎い顔、ロープや壷の(今見れば原始的な)特殊表現が連動して、知恵と肉体で出し抜く「盗賊」の魅力をあたりに振り散らしていく前半部はマジで最高。後半の「王子」編(と俺が勝手に名付けた)は少し緊張感は落ちるが、それでも魅力的なシェイプの怪物を(明らかにふにゃふにゃな)剣で倒していく馬鹿らしさに興奮するし、翼の生えた馬の合成もイカしてる🐎そして最後の大団円と大群衆!力技で完全にやられた。宗教で改心というプロットとはいえ、「盗賊王子」が権力者たちを出し抜いて全てを持っていく快活さが贅を尽くした表現力と手を組んで、あなたのハートを盗みにくる。みんな、もっと心に盗賊を持とう。
しゅん

しゅん