カニパン食べたい

ザ・グレイ 凍える太陽のカニパン食べたいのレビュー・感想・評価

ザ・グレイ 凍える太陽(2012年製作の映画)
4.1
墜落直後の弱りメンズたちがよかった。特攻野郎Aチームの監督と主演→なるほど観た事ないけど墜落シーンもよかった。これがクソアニパニ映画だとすぐに「でも結局人間の敵は人間」「一番怖い(悪い)のは人間」要素を入れてくるけど、そういうのはいらんのだ。そういうのがない硬派なヒューマンドラマ。
逆にアニパニ脳で観てしまうと不満が残るかも。オオカミに追われる恐怖と絶望の表現が手ぬるいし、エンタメ勝敗カタルシス要素もない。短編小説が原作なのでそういう趣旨じゃないんだろうな。詩篇がちょいちょい出てくるように、主人公が生き様よりも死に様にフォーカスしている感じが文学してる。それに他のレビューを観ると人それぞれ真逆の解釈、真逆の感想が見られるというのがまた文学っぽい。私にはいい感じにつぼにはまった映画でした。

二日と置かず前半シーンを再鑑賞した、ほんと好き・・・
フライト前にフランネリーが言ってた映画は多分「グリズリーマン」。ある意味アニパニよりも怖いやつ。

***

『フローズン』も観て狼ってアニパニに向かないなあと思う。実際襲われるとめっちゃ怖いはずなんだけどなぜだろう。
人間と同じ社会的な生き物なところとか、獲物を仕留める時はちゃんととどめを刺すイメージとかが捕食される怖さおぞましさ薄めているのかな? 『オルカ』が怖くないのもおんなじか。捕食シーンで白目剥くサメ、みたいなプリミティブな恐怖にこそゾゾッとするのかも。