竜平

バニラ・スカイの竜平のレビュー・感想・評価

バニラ・スカイ(2001年製作の映画)
3.7
やり手でプレイボーイで、若くして出版社の社長という金持ち男の身に起こる事件。そこから徐々に夢と現実の区別が曖昧になっていく、という話。

スペイン映画『オープン・ユア・アイズ』のリメイク、というのは今更ながら知った事実、というわけで真っさらな状態で再鑑賞。もう19年前の映画になるのか、主演のトム・クルーズはなんというか美貌的に無敵すぎる時代だし、ペネロペ・クルスもキャメロン・ディアスもノリにノってる、というか問答無用で美しい。このビジュアルだけで内容としてはもう十分だったりする、ってのは端的に言い過ぎかな。一人の男の栄光と挫折、堕落に苦悩といった『ザ・エージェント』あたりにもあるキャメロン・クロウ作品っぽいドラマには胸が痛むこと請け合い。ここもイケメンのトムクルが演じるからこその「魅力」というのが確実にあるなと。で、そこから世界観が180度と言っても過言ではないほど変わっていくストーリーというのは、ともすれば観客を置き去りにしてしまうのかも。好みも分かれそうなところ。いやしかし、夢なのか現実なのかと観客を翻弄してくる流れ、展開のさせ方が非常に上手い。ヒューマンドラマのようでありながらサスペンス的なハラハラドキドキがそこには待ち受けてたりする。前半の様々な「布石」が後半を読めないものにする、まさに謎が謎を呼ぶ展開。夢と現実の狭間で主人公デヴィッドが得るものとは、その結末やいかに、という話。

個人的にはちょっとメッセージ的なところが読み取れなかったもんで、深いとこまではきっと楽しめてないんだけど、それでもまぁ最後までしっかり楽しんだ口。内容的にちょっぴり『インセプション』を思い出したりして。あと全然関係ないんだけども、じつは出てたマイケル・シャノン。
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