ざわゾンビ

最高殊勲夫人のざわゾンビのレビュー・感想・評価

最高殊勲夫人(1959年製作の映画)
4.5
最高にキュートで、ハッピーな作品に出逢ってしまった。

95分と短い作品ですが、その中には数々の魅力的なシーン、台詞、演技が、宝石箱をブチまけたかのように散らばっている。

特筆すべきはやはり主演のお二人。
クリクリした憎めない眼で憎まれ口を叩く川口浩の軽妙洒脱な演技は、わざとらしさの欠片もなく、まさに白眉の一言。

対する若尾文子。
もう可愛い以外でてこないです。
見目麗しい女優は掃いて捨てるほどいますが、ここまでキュートな役がハマる、そして、演じきれる女性は、一体どれくらい存在するのでしょうか…
裏表がなく、誰に対してもオープンで嫌味のない、最高の女性。
幻想といえばそれまでですが、これが映画の魅力ですよね。夢を見ていいんです。

そして、周りの兄弟姉妹も、なんとまぁステキな役回りだこと!
理想的な男女像を地で行く主演の2人とは対照的な、俗にまみれたリアルな男女のやりとりに、終始笑いが止まりませんでした。

"最高殊勲夫人"
タイトルにもなっているこの台詞の出しどころもたまりません。
そして、ラストの2人の表情。
つらつら書いておいてなんですが、もうこのラストに全てが集約されています。
最高です。最高殊勲終幕です。

Filmarksで存在を知らなければ出会うことも無かったかもしれない作品。
僥倖とはこの事ですね。

400件にも満たないレビュー数…こんな事じゃダメです。
日本、いや、世界中の映画ファンに一度は観て頂きたい、知る人ぞ知る、邦画界のDavid Johnson(Arizona Cardinals)的作品です!!