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最高殊勲夫人のmimitakoyakiのレビュー・感想・評価

最高殊勲夫人(1959年製作の映画)
3.7
1959年の作品なんですが、評価も高く、この物語のオチとなってる2人の結婚写真も可愛らしくて惹かれたので、見てみることにしました。

野々宮家の三姉妹と三原家の三兄弟の結婚をめぐる軽快なラブコメです。

古い映画ですが、オープニングからしてモダンな雰囲気でお洒落なんですよね。
時代は感じさせるけど古くさくはない、そんな感じです。

野々宮家の三女 杏子を演じた若尾文子がキュートなんです。
ヘアスタイルやファッションもお洒落だし見ていて楽しかったな。

三原家の三男 三郎は川口浩なんですね。
わたしにとって川口浩と言えば、探検隊の隊長のイメージしかなくて、しかもあの水曜スペシャルがヤラセ臭むんむんで、子ども心にあの毒ヘビの出方は不自然やなとか思ってたんですよね。
川口浩がもともと俳優だったことをこの作品で知りました 笑。

59年当時は、女性はいかに社内で出世しそうな男性を見つけて玉の輿に乗るかって事が一番の関心事であって、女性が社会の中で貢献したり自己実現するというような考えがまだなかった時代で、就職は良い条件の結婚相手を見つける機会だったんですね。

女性はあくまで男性に養われて生き、仕事も男性の補佐的な軽いものを与えられるという感じですが、女性は女性で、したたかに虎視眈々と良い男を狙ってて…。
そんな当時の男性と女性の立場や結婚事情が見られるのも興味深かったです。

杏子もチャーミングで魅力的ですが、わたし的には、世間が決めた女の生き方とは外れ、芸術を愛し自由に自分のやりたい事をやって、男に依存せず自立心のある三郎の元カノが面白くて良いキャラだったなと思いました。

こういう昭和の映画を見ると、自分が生まれる前の作品なんだけど、時代の空気感とかどこか懐かしく感じたり、その時代の人々の有り様が生き生きと描かれていて、いろんな新鮮な発見もあって面白かったです。

89
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