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悪魔が夜来るのnagashingのレビュー・感想・評価

悪魔が夜来る(1942年製作の映画)
3.0
『愛人ジュリエット』同様、カルネ×トローネルの中世幻想譚は雰囲気バツグン。プレヴェールによるコッテリした愛の訴えを、時空間の匿名性と質朴な衣装美術が嫌味なく伝える。だいぶ力技な魔術演出も意外に賞味期限が切れてない。静止時間のなかで逢引するプロセスが必要なチャームの技とか斬新&贅沢すぎるし、主観の操作を客観的な時間の流れから隔絶して行う愚直さに感銘を受ける。悪魔に対しては誠実である必要なんかないんだ、という苛烈な居直りにレジスタンスの精神を見た。
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