雨丘もびり

スキャナーズの雨丘もびりのレビュー・感想・評価

スキャナーズ(1981年製作の映画)
3.8
【ちゃんと面白くて驚く】
TSUTAYA行くたびに、このジャケットが見てくれ見てくれ呼ぶもんだから...ダマされたつもりで観てみたら、ちゃんとエンタメ映画で面白かったよー。
ストーリーも推進力あるし、超能力バトルもわくわく見入っちゃう。
「キーーーーン!」てシンセの音程上げて緊迫感つくるの、ハンス・ジマーが上手に継承してる気がするわw。

悪い組織wのボスは『スターシップトゥルーパーズ』の鬼教官。
悪ノリしないJ.ニコルソンて感じで適任。



ただその、ちゃんとしたストーリーの合間に見え隠れする、何かよね。
その何かを主張したいわけじゃないんでしょうけど、見えちゃってる何かが気になる。良い意味で。

「ダサ男に色目使われちゃったわオホホ」って笑うゴージャス老婆ズを半殺しにするイントロから...監督の世界のニラみ方がじゅぶじゅぶ溢れててイイ。
親世代のグロテスクな思惑が読み取れちゃう不安も登場人物たちに代弁させてる。
不信感?...何に対する不信感?
あと、クローネンバーグにとっての「融合」って何!?何が言いたい!?
妙に特別な感情を抱いてる気がするんだけど、ちょっとまだ私には掴めないわ。。。
ワザとヘンなもの撮りたい映像作家ってわけじゃ無さそう。
でも彼の中の何かが根本的に曲がっているカンジ。


...私なんか失礼な事書いてる?爆殺事案?w
ただ、興味湧いたってコトが言いたいんだけどな。
途中出てきた前衛芸術家とかも、掘ったら面白そう。


頭の爆発は一回だけ。ちょっと物足りない。
能力者ごとの能力差...もっと殺し方を変えて欲しかったなー。

役者のガンバリで成立してる超能力バトルは笑っちゃうけど、
監督が演技指導してるトコも想像すると、もっと笑えたw。
役者ひとりずつに顔のぶるぶるを伝授してたんでしょ?惚れてまうわ!