あしからず

来るべき世界のあしからずのレビュー・感想・評価

来るべき世界(1936年製作の映画)
3.6
SFの父H・G・ウェルズの未来予想図。
戦争→伝染病→独裁者の支配→革命→文明発展という大まかな流れはたしかに現実に即しややコロナ禍の現在とも重なる。都市空爆はナチスによるロンドン空爆を予言したとも言われているそう。ただ作中では月に飛ぶのが2036年で、そこはリアルが大幅リード。
『風と共に去りぬ』のプロダクションデザイナーのメンジーズが監督とあって地下未来都市のセットは整然と美しくこれは一見の価値あり。他にもデザイン的な作中説明文、影で表す侵略などおもしろい表現が多い。
内容はウェルズの進歩至上主義が露骨に投影されているが、その弊害や欠点は描かれずただ盲目的に進歩あるのみという姿勢がなんとも。「全宇宙かそれとも無か」
ラングのメトロポリス嫌いのウェルズはとにかく正反対な映画にしたかったらしい。
ちなみに手塚治虫の同名マンガは本作を特に意識しておらず、映画を観たのも構想を練った後だそう。昔よんだけど内容忘れてしまったなあ。
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