シネフィルmonk

暗黒街の顔役のシネフィルmonkのレビュー・感想・評価

暗黒街の顔役(1932年製作の映画)
4.2
暗黒街でのしあがっていく男の野望と挫折を迫力たっぷりに描いたギャング映画の代表作。購入したDVDの解説には、淀川長治さんが「アル・カポネをモデルにした怖い怖いギャング映画の随一。この映画をもとにコッポラはゴッドファーザーを撮影した」と評したように、出世と野心のためには対立する組織を殲滅、かつてのボスや片腕にも裏切りの連続で場所と手段を選ばず機関銃をぶっ放すトニーの残虐さが白眉。

頂点に登りつめてからは最後孤独と悲哀を味わうまでを銃規制のない社会への皮肉と警告を込めてダイナミックに表現される。息をもつかせない展開で、これぞフィルム・ノワールの真骨頂のような作品。
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