クレーヴの奥方的な(←遠い記憶で書いてます、違ったらすいません)浮気告白ものの現代的変形バージョンっすかね?夫と妻双方の食い違ったりする回想を組み合わせ、ほぼ会話劇でここまでオーソドックスに面白くするナイスストーリーテリング。クローズアップ(特に妻)をここぞとばかりに的確に入れ込んでくるの神。ってか浮気は死んでお詫びするのが当時のフランス男性的にはスジなので(違うけど)、ジャン・ギャバンのマスキュリニティに関しては21世紀的にはてめーそんなんで愛情の瞬間とか言ってんじゃねーぞしばくぞコラってなオトコにとって都合のいい話でもありますゆえ、ラストの妻の表情にこそ語られるべき「愛の物語」があると思われます。なのでギャバンは実は3人の中で一番脇役です。顔がムカつくんだよな、ジャンギャバン。
ちなみに某無料上映会で見ましたが、無料のせいか後ろのジジイがブツブツ喋りまくっててうるさかったです。喋りながら見るなら家で見やがれ。市がやってるそういう名画鑑賞会的なものってほぼ高齢者サービス事業ですので致し方ないとも思いますが、うるさいです。