猫田

扉をたたく人の猫田のレビュー・感想・評価

扉をたたく人(2007年製作の映画)
4.3
目の前の事をこなしながらもどこか上の空で、他人に心を閉ざしている主人公が、あの忌まわしい9.11後のアメリカに暮らす人らの姿に重なって見えた。出会いを通して、脱け殻のようだった主人公に血が通い徐々に生きる活力が溢れていく。悲しみを共有し、誰かのために怒り、当たり前に手を差し伸べられる。そんな些細な心の変化が大袈裟でなくすごく温かい。決して幸せなラストではないが、それでも前を向いて歩いていこうとする彼の姿に不思議と力をもらえる。心の距離感が心地いい
猫田

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