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浪華悲歌のnagashingのレビュー・感想・評価

浪華悲歌(1936年製作の映画)
3.0
アパート、警察署、実家などの屋内の空間を自在に横断するカメラワークはさすがといったところ。元彼に求愛するシーンと、警察から実家へともどり煙草を吸いながら化粧を直すシーンのロングショットの、感情移入をいっさい拒むかのような冷酷なまでの距離感。そして、あきらかな犠牲者である少女の哀れみ以上にその愚かさを強調してみせながら、それらある種の「蔑み」の視線を、いっきに「見上げる」ものへと逆転させてしまうラストショットの力強さ、たくましさ。山田五十鈴の当時10代とは思えぬ貫禄と風格。元彼の供述を壁越しに聞いてるときの目なんて邪悪すぎる。超サイヤ人3かよ。
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