yaaa

感染のyaaaのレビュー・感想・評価

感染(2004年製作の映画)
4.0
本作は寛大な心で「失笑」を受け入れるならカルト化するほど評価されてもよいと思う。
「恐怖」が売りの由緒正しいJホラーの血統ながら「恐怖」を通り越して「気持ち悪い」をたぶんに絡めて「笑い」一歩手前まで突き進む。
そのぐちょぐちょな感じこそが「恐怖」かも知れない。

院長が失踪し職員に給料が支払われず看護師が大量辞職。金回りが悪いため注射器などの備品も底を付き始める。
不眠不休で働き続ける医師達が過労で医療事故を起こした直後、体が溶けるという奇病の救急患者が運びこまれる。この病院コントの「笑い」の部分がすべて力みすぎたベタな「恐怖」に置き換わる。

この中に「映画であろう」とする佐藤浩市が放り込まれ右往左往する。一体どんな芝居をしたらよいのだろうかと言いたげに。

おばちゃんなのかカワイイのかよくわからない南果歩の看護婦長。
注射できない看護師の星野真理に顔がAV女優並みにエロい真木よう子の先輩後輩コンビ。
なんかみずみずしいやらかす木村多江。
顔にもまして芝居まで暑苦しい高嶋政伸の内科医。
そして壁から顔半分だけ出して見つめる十八番を披露する佐野史朗。
特殊メイクや仕掛けを駆使せずに役者の顔のみでびびらせようとする心意気は凄い。それぞれに死に際のアッパーな見せ場が用意してある。

シャマラン的なオチこそが売りなのかもしれないが、そこはあんまり面白くなくても無くてもよいぐらい。
佐藤浩市とともに「怖がったら」いいのか「笑ったら」いいのか。

笑いとばしたらいいと思います!
yaaa

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