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ワンダー・ボーイズのRのレビュー・感想・評価

ワンダー・ボーイズ(2000年製作の映画)
4.7
こないだ見たLAコンフィデンシャルがものすごく良かったのでカーティスハンソンの映画を見てみようと思って手にとったのがコレ。まったく前情報なく見たのでどんな話になんのか分からず序盤は、ん…これ…大丈夫? 面白くなんの? って不安になりながら見てた。が、1時間経つころには、不思議なのめり込み方をしていました。何だろう。没頭って感じではなく、すごく気持ちよく心がストーリーに運ばれていってる感じ。ストーリーってほどストーリーストーリーもしてないんやけど。個人的にあまり好きでないマイケルダグラス、今まで見た中でいちばん良かった。大学で英文学ライティングを教えるテニュア取得教授、と言えば大変聞こえはよろしいが、数年前出版した小説以来、周囲に期待されつつ一冊も完成させられず、一発屋になりそう。妻には出ていかれ、既婚者の学長とは不倫中。結局小説なんか何の意味もない、と諦めてマリファナ吸ってばかりいる。中高年の危機真っ只中で漠然と無力、ふらふらのぐらぐら。そんな彼が学内文芸フェスの数日の間に経験するゆるきつドタバタ悲喜劇を、何とも形容しがたいマイルドな温度で描いた傑作でした。毎度毎度キモ目なトビーマグワイアが自殺願望のある根暗な家なき青年を演じてて、彼の意味不明なわるさと彼の書いた小説などを巡って一悶着。で、何とロバートダウニーJrがゲイ役で出てます。めっちゃ合ってる! セクシー! イケてる! 出版社に勤めてて、担当してる作家からぜんぜんいい作品を出せてないから、会社で肩身が狭いって役で、出版の世界ってそんなんあるんやーって思った。トビーマグワイアと夜を明かした朝のベッドで裸のふたり、それを見てOhってなってるマイケルダグラス、微笑ましい。あとボクの大好きなフランシスマクドーマンド、この人はどの映画でもホントに素晴らしい。マイケルの愛人をドッシリ安定感のあるスタンスで演じててとても魅力的。どの役者も素晴らしい演技と存在感。ファンならばこれを見てないのはもったいない。あと音楽がいいんですねー。ストーリーに沿っていろいろいい音楽が流れて、雪で寒かったハートがあったかくなるようなエンディングのあと流れるボブディラン、最高やん! 男って何歳になっても青春だなぁ。ってか青春じゃなくなってる男って、思考と感情を停止させてしまってる人なんだなぁ、って思った。いいじゃない、50歳になっても、いくつになっても、多感なお年頃って。なんかもう何から何までステキだった。地味で淡々としてるけど、見れば見るほど好き度が増しそうな確実にスルメ映画だと思います。ブルーレイ出してちょーだい!
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