いろどり

ソハの地下水道のいろどりのレビュー・感想・評価

ソハの地下水道(2011年製作の映画)
3.5
アンジェイ・ワイダ監督の「地下水道」と間違えてレンタルしてしまった。でもいくつか作品を観たことがある監督だったしこちらも良い映画だった。ナチス占領下のポーランド。ユダヤ人虐殺の直接描写ほか残虐シーンのありそうなものは積極的に控えているので、これは私の中の危険信号がチカチカと点滅する穏やかではない鑑賞になった。でも不穏な雰囲気は前半で落ち着き、小悪党のソハの悪い顔がユダヤ人との交流により優しい顔つきになっていくので安堵できた。暴力シーンがそこまで多くなくて良かった。


キリスト教徒のなかにはイエス・キリストがユダヤ人なのを知らない人もいる。
複雑な教義はすっ飛ばしてただただシンプルに、我々のイエス・キリストがユダヤ人ならユダヤ人を救わなければ、という考えは、根底はピュアなソハをよく表していたと思う。同じ人間だから救う、とはならないのもリアルで、キリスト教圏にはびこる根深いユダヤ人差別を感じた。

ユダヤ人隠匿の疑惑でたびたび追い詰められる緊迫感や地下水道の閉塞感をほとんどBGMなしで描くので暗くて地味め。目を背けたいシーンも多かったけど、勇気ある男性の実話として観て良かったと思う。
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