オルキリア元ちきーた

スペース カウボーイのオルキリア元ちきーたのレビュー・感想・評価

スペース カウボーイ(2000年製作の映画)
4.0

「スペース・カウボーイ」
2000年 アメリカ

クリント・イーストウッド監督主演。
そしてトミー・リー・ジョーンズ、ジェームズ・ガーナー、ドナルド・サザーランドという錚々たる顔ぶれの爺さんが主人公。
しかもみんな宇宙飛行士になっちゃう。
クリント・イーストウッドとトミー・リー・ジョーンズの汚い言葉の軽快な応酬と殴り合いのケンカが笑える。この二人の爺さんが共演してる映画って他にあった??
爺さん達みんなヤンチャなクソガキのままジジイになった感じがとっても良い。

かつて「チーム・ダイダロス」として米軍のパイロットとして宇宙飛行士になることを夢見ていた4人。
しかし宇宙開発は軍ではなくNASAに主導権がうつり、いわゆる「マーキュリー計画」が発足する。その辺りの話は映画「ドリーム」が詳しい。
そのためあと一歩のところでチーム・ダイダロスは宇宙への切符をチンパンジーの宇宙飛行猿に奪われ、それぞれのメンバーは40年という長い時間、それぞれ違う人生を歩んで老いていった。

そして現在、ソ連も崩壊し、冷戦も終わり、ロシアはNASAに「ある依頼」を持ち込む。
アメリカとソ連の宇宙開発競争の時の「遺物」である「通信衛星アイコン」が故障し、軌道を外れ地球に墜落する危険を回避するために「修理」をする必要があるという。
そしてそのロシアの通信衛星は、なぜか、アメリカの宇宙ステーション「スカイラブ」と同じ設計。
しかしその構造は旧式過ぎて今のエンジニアでは修復不可能。
その設計をしたのが、かつて宇宙を目指した「チーム・ダイダロス」のメンバー、フランク・コービン(イーストウッド)だった。
NASAはフランクに修復のノウハウを若い宇宙飛行士に教え込むよう依頼する。
しかしかつての夢だった宇宙飛行士になれる最後のチャンスとばかりに、バラバラになっていた「チーム・ダイダロス」を復活させ、爺さんの宇宙飛行士チームとして自分達が衛星を修復することを提案する…。

もうね、この展開、まさに「カウボーイ」ですよ。
イーストウッド監督主演の西部劇と同じ「かつて名を上げたガンマンだった男の元に断りきれない依頼が舞い込み、かつての仲間を集めて敵に立ち向かう」っていうコレです!

しかもジジイが宇宙飛行士になるというぶっ飛んだ発想。
ヤンチャをこじらせた爺さん達の活躍劇。
ジジイ好きな私の大好物映画。
特にトミー・リー・ジョーンズ!
ほんと、この人の演技は素晴らしい。イーストウッド食われてる。
ドナルド・サザーランドも地味にいい。

「わくわくする映画」ってこういうのを言うんだろう。
ハッキリいって、似たようなコンセプトの「アルマゲドン」なんかよりずっと面白いと思う。