三四郎

邂逅(めぐりあい)の三四郎のレビュー・感想・評価

邂逅(めぐりあい)(1939年製作の映画)
4.7
モラルがあった頃のアメリカだ。
豪華客船で知り合った男女。男は婚約者が、女はパトロンが…しかし、だんだんだんだん二人は恋に落ちてゆく。荒波の中突き進む船と二人の恋の行方がうまく掛け合わされ、初めてのキスシーンでは、「荒海に漕ぎ出すのね、ミシェル」上手い!
この映画全てが巧妙でした!笑えるしロマンチックだしハッピーエンドだし!

場所の設定もまた人を釘付けにする。出会いは豪華客船、休憩はポルトガルのマデイラ島、再会を誓う場所はニューヨークエンパイアステートビル102階の展望室!酔わずにはいられぬメロドラマ。しかし、全てがうまくいかぬが人生なりや。松竹のお家芸「愛染かつら」「君の名は」張りのすれ違い。名作はすれ違い物語なのか。

半年後、7月1日17時、約束の場所へ…男は女が来るのを今か今かと待っている!女は「わたし結婚するのよ 今日!」店員、タクシー運転手にまで言う浮かれよう!女は急いでいた、そしてふと見上げてしまったのだ、愛する男が待っているであろう102階を…そして交通事故に遭う。そこからの物語もまた魅せる魅せる!そして、ついにクリスマスの日、男は自分の描いたお気に入りの絵、すなわちその女のことを描いた絵を買った人のもとへ。そう、それが脚を悪くし歩けなくなった…あの日男が何時間も待ち続けていた女だったのだ!もう美しい麗しい甘い名作中の名作です。古き良きロマンチックな愛すべきアメリカ映画に乾杯!
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