zhenli13

元気で行かうよのzhenli13のレビュー・感想・評価

元気で行かうよ(1941年製作の映画)
3.4
1941年公開とは思えないくらい牧歌的なこの松竹映画は、山が金鉱であることが科学的に証明されるエピソードをして、山師の父河村黎吉の夢を信じ小遣いの仕事で上司から借金してまで純粋に父へ奉仕し続けた少年が喜ぶ姿と地道な安定を求める田中絹代の姿を対比させ、パターナリズムへの追随および服従が「科学的に」証明される構図をうっすら匂わせるところが興味深い。
佐野周二と上原謙は急須の取り合いやシンメトリー構図で他愛のない確執と義兄弟愛を表し、また笠智衆が鉱山のずる賢い親方という珍しい端役も見られる一方、高峰三枝子と桑野通子が若干添え物になっているのが残念。とくに桑野通子の持ち味は活かされていない。
zhenli13

zhenli13