菩薩

舞踏会の手帖の菩薩のレビュー・感想・評価

舞踏会の手帖(1937年製作の映画)
4.0
未亡人の元カレ探訪記、「私のこと一生愛するって言ってたあの人達、今どうしてるかしら?」編。ちなみに男が元カノに久しぶりに連絡を入れる目的の99%は「手っ取り早く一発ヤリたい」でしかないので、その気がなければガン無視した方がよろしいかと。

なんせ一人目からしてヤバい、そもそももう生きてはいないし、そのお母様は発狂している。そこで止めりゃ良かったのにとりあえず全員に会いに行こうとするクリスティーヌ、だがほとんどの者が夢を諦め、何かを失い、ある者は世界の全てが傾いてしまっている。こう言う女性をよく「さげまん」だなんて言ったもんだし、伊丹十三は『あげまん』なんて映画を撮っているが、男達の人生が狂っていったのは男達自身のせいな訳で彼女に非がある訳ではないし、若き日に夢見た願いなど大抵叶わぬのが人生ってやつである。16歳、全てが輝かしく見えた舞踏会、20年経って改めて降り立つその場はただのダンスパーティ、「人間は思い出を美化しがちである」が、その思い出と共に生きていくのが人間である。

にしても戦前の映画なのにおっぱい出て来て驚いた。なかなかの鬱映画(?)ってやつかも。
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