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地獄門のLATESHOWのレビュー・感想・評価

地獄門(1953年製作の映画)
2.8
60年以上昔にカンヌで
ジャン・コクトーに絶賛され
パルムドールに輝いた
ラ・ラ・ランドもかくやの
極彩色平安戦乱絵巻...
と同時に、
女性なら殺意を抱くレベルの
悪質なクズストーカーのお話。

人妻に横恋慕して上司に結婚させろと無茶言い出す、つけまわす、旦那に勝負ふっかける、その旦那も出席する親睦会で暴れる(上司マジギレ)、あげく実家に突撃して脅迫、家宅侵入して旦那殺そうとする。
クズ極まりねえ
暑苦しい田舎武士っぷりの
長谷川一夫に対し
嫌悪感と悔しさを必死に押し殺す
京マチ子。
出会いからして最悪で
おい起きろよ!と
柄杓の水口に含んでブーッと
京マチ子の顔にぶっかけたり
琴を弾いてたら
話聞けよ、聞いてんのかよ!と
琴をその場で叩き壊すというね。
女性をモノとしかみなしてないような
自分本位な所業が実に憎々しい。
嫌だなー、男のみっともなさや情けなさって
いつの時代も変わらないし
厚顔無恥にのさばってるんだね。

とはいえ、ひとりとして同色がない
細部まで鮮やかな衣装デザインには
目を奪われ続ける。
平安時代の彩色を再現した
着物の刺繍から刀の鞘まで。
なるほど外国受けの良さそうな
エキゾチックな彩りである。
...話はしょうもないストーカー野郎の顛末だが笑
アイドルの握手会で暴れる
バカの平安ver.だ。

マジないわコイツと
嫌悪しながら耐えて死ぬ
京マチ子のような目にあう女性を
悲劇のヒロイン化しちゃいけません。
現代の感覚だと
京マチ子は古風な顔立ちで
美人と言い切れないかもしれないが
伏し目がちの横顔が実に艶やか。
ワナワナ震えて迫る
長谷川一夫の醜態が一層際立つほどの(^^;;
もう帰れよてめえと
思わずツッコんじまった。
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