芸術的作品。
圧倒的な映像美。
自然物の美しさは無限に引き出し、
人工物の色使いには最大限の注意を払う
美に対する執着。
SFのふりをして人間の普遍的な苦悩に踏み込んだ異色挑戦作
…なのかも？！
ロシア映画ほぼ観たことがないので偉そうには語れないけど。
カメラワークと空気感はSFよりホラー様式味が強い気もした。
で、自分に合うかどうかで言うと
以下の事情で合わなかった。
〇全編からあふれ出る監督の自己愛が強烈
〇主人公苦悩しかしてない
〇首都高の映像使うの安易じゃない？
〇妻（的なもの）の覆いかぶさるような粘着に監督の女性観を疑う
など、趣味に合わない箇所が多く。
あと、何より
「多分、この監督SF全然好きじゃない」のが伝わってきて
SF好きとしては悲しかった。
セットの壁全面に設置されている何かが、全く機能的ではなく
「SFってこんなもんでしょ。
こういう機械っぽい物均一に並べとけばそれっぽいよね。」
と舐めてかかってる感じとか。悲しい。
だったらSFじゃない舞台で映画を撮ればいい。
まあ大人の事情とかあるんだろうけど。
ただ、映画においてカメラマンの力って大きいんだなと
今更ながら感嘆したその点では観てよかったなという作品。
あ、それと、音。
普通なら乗せなさそうな小さな音をあえて入れてきてるの、えも言われず心地よかった。
