踊る猫

惑星ソラリスの踊る猫のレビュー・感想・評価

惑星ソラリス(1972年製作の映画)
4.2
ハリーを演じるナタリア・ボンダルチュクの佇まいが美しい。原作は遠い昔に一度読んだことがあるのだけれど、作品を構成する重要な要素である「ロマンス」を、つまり悲恋を表現することに成功していると思う。そして、なによりも重要なのはこの映画でもタルコフスキーの映画を構成する要素である「水」と「炎」が印象的に使われているということだ。「水」については惑星ソラリスの海面のダイナミックな動き、あるいは終盤で部屋の中に降り注ぐ水が鮮烈で、「炎」に関しては宇宙服を包む火や蝋燭の火などが指摘出来よう。三度目の鑑賞になるのだが、「水」の印象はすっかり忘れてしまっていたので我ながら情けない観衆だなと思ってしまったのだった。これ以上のことはもっとタルコフスキーの映画を観てから語るべきなのだろう。次は『ストーカー』を観ようか。
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