原作者を怒らせたほどタルコフスキー(監督)は独自路線でこの映画を制作した。今で言う原作破壊だ。
SF映画と思いきや、宇宙や科学に重きを置いているわけではなく、難解な芸術作品として仕上がっているので無理に理解する必要はない。
多くを語らず多くを問わず、長尺と省略、シリアスとコメディのアンバランス、一部と二部の不思議な境い目、モノクロとカラーを歪に使い分け、テーマの主軸を曖昧にする…。
すべてにおいてチグハグ。
コレは匠の技なのか?はたまた原作レイプか?
文字通り芸術が爆発している。
ただし、コレがタルコフスキーの「正解」なのだ!
現に一部ではカルト的な人気を獲得してる。
万人にウケる必要はなく、理解して貰う必要もなく、ただフィーリングで繋がってくれる同志がいればいい。
ある意味コレが「ソラリスの海」なのではないだろうか?