惑星ソラリスの作品情報・感想・評価

「惑星ソラリス」に投稿された感想・評価

首都高速の長いトンネルを抜けると宇宙ステーションであった。
長い長いドライヴに疲れて、廃墟のようなソラリス・ステーションを彷徨っているうちに、催眠術にかけられたように、ウトウトしてくる。
そこに”あれ”が現れて、わたしはバッチリ覚醒する。いや、わたしは目覚めたのではなく、夢を見ているだけなのか。これは映画なのか夢なのか、あるいは夢のような映画なのか。

映画はわたしの心のなかにある、まだ名前さえついていない”なにか”を、実体化する。
いま観ているこれこそが、わたしの物語だ!と思うからこそ、ひとは映画に共感する。
映画はわたしの想像を、物質化する。

ソラリスの海が生み出したハリーを、サルトリウスが罵る。「お前は海が作り出した複製だ」。
ハリーは涙ながらに訴える。「わたしは人間よ」。
それを観ているわたしは思う。これは、自分が人間だと訴える、女優の演技である、と。
その感情は真実ではない。中身は空っぽなのである。
わたしたちは女優でなくとも、日常生活のなかで感情をいつわり、知らず知らずのうちに演技をしていることがある。
記憶の複製であることと、演技であることの違いはなんだろうか。人間とはなんだろうか。これはチューリング・テストなのか。

この映画はそういう、人間とはなにか、という哲学的なテーマを追求しているのだな、などと早合点していると、さいごにひっくり返される。
ソラリスの海は、共感をもとめない。理解されることを拒み、わたしの想像にただ作用するのみである。
真に他者を理解することなど、ありえないのだろうか。
理解とはなんだろうか。

映画は共感をもとめない。ただわたしに作用するのみである。
タルコフスキーに、レムに笑われているのかもしれない。
あぺ

あぺの感想・評価

4.0
そんな外国の高速道路知らないけど、それにしても日本の高速って入り組んでて近未来感あるなとは思ってたけど、他国からしてもそう感じるんだな
HK

HKの感想・評価

3.5
スタニスラフ・レムの傑作SF小説を映画化した作品。監督は「ストーカー」「ノスタルジア」などのアンドレイ・タルコフスキー。キャストはナターリヤ・ボンタルチュク、ドナタス・バニオニス、ユーニ・ヤルヴェッドなどなど

海と雲に覆われた惑星ソラリスを探索している宇宙ステーション「プロメテウス」との通信が途切れた。唯一生き残った隊員はあの雲を知性のある有機体と報告したが嘲笑の的となった。真実を探るため主人公は宇宙ステーションに向かうのだが…

SF映画の中でもスタンリー・キューブリックの「2001年宇宙の旅」と並んで難解ながらも最高傑作と称されるタルコフスキーの作品である。哲学的で芸術志向のアプローチが強い作品で、タルコフスキーの作品初体験なのでワクワクしながらみました。

兼ねてから睡眠導入剤として定評の作品を、ほとんど睡眠不足の状態で見てしまったのがバカでしたね。最初は残念ながら途中で寝て断念。しかし万全の状態でそのあと見たのですがそれでも眠くなりました。

『a ghost story』のように90分ぐらいなら何とか大丈夫なのですが、流石に164分は長いな~おいと思いながら見ていましたね。意識はあるんだけど脳の中だけが寝てる見てるみたいなレム睡眠状態に陥るような作品である。

しかし、そんな夢だか現実だか、どっちなのか分からなくなるような不自然な演出やギミックを入れることで、一種の不安感を漂わせるような作品である。押井守さんの映画にもとても影響を与えているためか、そういうのが色濃く感じられた。

特にラストカットの一体、どっちに帰着したのかどうかが分からなくなっている場面は、後年の『うる星やつら ビューティフルドリーマー』にも影響を与えているのかもしれませんね。あのどこか不自然でどっちに転んでいるのか分からない結末が良いのかもしれません。他にもステーションから暗い宇宙を見つめるカットで画面が暗くなる所とかも押井さんに影響を与えているのかもしれませんね。

映画序盤には有名な首都高のシーンが登場します。未来都市の一部のような幻想的な空間がタルコフスキーを魅了してあのようなカットができたのかもしれませんね。敢えてモノクロで写すことで深層心理に突入していくようなカットだったと思いました。押井さんも『赤い眼鏡』とかでやってましたね。

ソラリスは知的生命体。足を踏み入れた人間の記憶の底、心の奥などを除き見て、彼らの心に突っかかるものを質量をもって出現させるなぞの生物?なのでしょうかね。ステーション内の装飾品は散乱しているのですが、あのような品々もまたソラリスが生み出したのかもしれないのかと思うと怖い。

とても面白い部分もあるのですが、やはりちょっとばかり眠くなるような長いカットの場面がまだ若い自分にとっては退屈に思えてしまう部分もありましたね。もうちょっと映画見ていったらタルコフスキーの神髄も分かってくるのかもしれません。

しかし、湖水の藻やせせらぎの場面の美しさはタルコフスキーさんの映像美が見れて良かったと思いますね。

個人的に気に入ったのはハリーさんが二度目の蘇生をするシーンです。エロかったです。見れて良かったと思います。
しおり

しおりの感想・評価

4.3
エーッ、衣装のワンピース(ドレス)とポンチョ可愛すぎない!?
という感情に支配されてあまり集中できなかったのだけれど、ブリューゲル『雪中の狩人』(『メランコリア』はこっからきてたのねー、謎にロシア・アヴァンギャルドしてたし!)にバッハのあのキリスト教的なオルガン曲にと見覚え聞き覚えのあるものが出てきたり、色々と収穫はあって、ラストもうまくひねったなーと感心。
**
1972年ソ連の作品。
SF作品なのだが、最初に映るのは、まず地球の情景。ロシアの自然風景が美しい。
意思の疎通ができないソラリスの「海」と人間とのやりとり。
意思の疎通はできないが、意思はある。
日本の高速道路がアンチ文明の象徴とも見える。
見事にくにゃくにゃしていて面白い。道路を作ったのに、分岐路ばかり、曲がり道ばかりで、文明が進んでるんだか遅れてるんだかわからない。
目の前には死んだはずの妻が。
研究者仲間は、「イメージが物質化しただけ。」「ニュートリノが安定しているだけ。」というが・・・。
宇宙もの、というよりも哲学もの。
生命とは何か、物質とは何か、コミュニケーションが取れるとは何か、そんなことを科学的に考えていくと、結局哲学の問題になるのか。
哲学にしてしまいたくなるのが、人間らしさなのかもしれない。
森島

森島の感想・評価

2.5
自分には早かった
にけ

にけの感想・評価

3.1
首都高のシーンで現実に戻されて、それ以降乗れなかった。
り

りの感想・評価

-
後半すごくいい
c5

c5の感想・評価

3.6
2回眠れた。
ryodan

ryodanの感想・評価

5.0
2017-01-03

A・タルコフスキー監督作品。
念願かなってタルコフスキー作品。いや難解ですね。SF作品の王道、技術と観念の話。見ていると、ここが現代SF映画の出発点のような気がします。どうしても視覚効果に目を奪われがちですが、そっちより言いたいことは、やはり観念ですから。カメラワークが思わせぶりで、最初は、これ撮りたいだけ撮って、後は編集でと思っていたんですが、途中から気づきました、確信犯的にやってましたね。見る側の想像力を掻き立てる内容。こうだと思っても、次の瞬間、それを疑わなければならない設定。場面場面で使い分けられた色は、特に印象的でした。第二部の後半は劇的でした。主人公の記憶。多分、隠喩的に使われた雨と庭の源泉と家。冷たい質感の映像で、ずっと哀しみや喪失感が溢れていました。「2001年宇宙の旅」では、予感を滲ませてていたのとは対極にありますね。この二作品は、個人的にも両巨頭です。素晴らしい作品でした。
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