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セルピコのおーたむのレビュー・感想・評価

セルピコ(1973年製作の映画)
3.9
アル・パチーノ×シドニー・ルメットという名前の並びに興味が湧き鑑賞。
まあ、なかなか面白かったです。

公権力による汚職問題をテーマにしたド直球の社会派作品で、実話ベースであるという点が、より社会問題告発の色を濃くしていたように思います。
不正を拒み告発もまともに取り合ってもらえなかった結果、公私で孤立していくセルピコの姿は、当然ながら真に迫っていて、どうなるんだろうという興味は終盤までずっと持続していきました。
純粋に社会正義のためというより、自身の頼むルールや命の危険などを勘案して取った行動が、結果的に社会正義と合致した…というセルピコも、人間味のあるヒーローって感じで良かったです。
ヒーローは孤独ですよね。
パチーノは一匹狼がよく合います。

まあ、作中ほとんどの時間で耐えてるので地味は地味だし、顛末のわりにスッキリ感も控えめで、大きな作品って感じじゃないですが、一人の人間の等身大の正義をしっかり描き出した、見ごたえある作品だと思います。
名前の期待値が高過ぎたかなとは思いましたが、真面目な良い作品です。
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