かずシネマ

ポセイドン・アドベンチャーのかずシネマのレビュー・感想・評価

3.7
船酔いは酔い止めを飲んだら何とかなるけど、船から降りた後も平衡感覚おかしくなるよな。と序盤を観てて思う。

津波の描写があるので注意。
また、近年であればセウォル号の事故を連想する。あの事故は本当に気の毒だった…。
あの事故は様々な原因があったが、船からの「その場で待機」という指示を聞いて守った生徒達の多くが助からなかった。。
こちらの作品でも、「此処に残っていれば助けが来る」「いいや、此処から動かないと」「沢山の人を置いていけないから残る」等というやり取りがあり、胸が痛くなった。
「餅は餅屋」だと考えて少しでもその場の事に詳しい人の言う事を聞く人の方が多いだろうし、勝手な事をして状況が悪化しても困ると考える人も多いだろうし、何を信じて動いたら良いのか分からなくて当然と思う。

ジーン・ハックマン格好良かったなぁ。
彼は絶妙な胡散臭さがあるから「この人について行っても大丈夫なんだろうか」という感情を持たれても何も不思議ではないのが、またとても良い配役だと思った。
キャラもオラオラ系だし、良い意味で観察眼に優れている様に見えないというか。

諦めかけたり、罵り合ったり、励まし合ったり、出来る事をしようとしたり。
希望があるところへの絶望はいかばかりか…と思ったり。
皆さんの様子を固唾を飲んで見守り、自然と「頑張れ、頑張れ…!」という気持ちになっていた。

しかしこれって、きちんとしたバラストを積めていて予定通りの速度で航海できていれば、それか、速度を上げろという指示を受け入れずに船の状態に合わせてゆっくりと航海していれば、巻き込まれなかったのやろか?
巻き込まれていても、少なくともあんな事にはならなかったのやろか?
「もしも」の話をしてもしょうがないけど(映画としても成り立たなくなるしw)、その辺りはどうなんやろ。ちょっと気になる。
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