アニマル泉

喜びなき街のアニマル泉のレビュー・感想・評価

喜びなき街(1925年製作の映画)
-
グレタ・ガルボ!なんたる目!圧倒的な色気!ミンクのコートを羽織った瞬間のふりむくアップは神がかっている。伝説の女優だ。パプストの演出は肉屋に並ぶ貧しい庶民の顔をライトが当たりながら次々と移動撮影するショットが印象的だ。いかがわしい高級サロンが物語の核になっていく。プリント状態が悪かった。内容が不明な箇所が多い。物語は以下である。
●大戦に敗れたドイツ・オーストリアの国々が悲惨な運命の試練に喘いでいた頃、小巴里と誇ったウィーンの都も今は蒼ざめていた。貧富二階級に分れてしまって、貧者の窮乏は極まった。肉屋には連日長い列ができているが、強欲な店主は富裕層に高額で売りつけるため、貧乏人には肉を売らない。その列の中にグレーテとマリアいう二人の美しい娘の姿があった。グレーテはタイピストとして働きながら、官吏を退職した父と幼い妹を養っていたが、上司のセクハラに耐え切れず会社を辞めてしまった。父は退職金を相場につぎ込み一山当てようとしたが、株の大暴落によって全財産を失った。一家は自宅を下宿屋とし、米国士官デーヴィーに部屋を貸すが、妹が彼の部屋から缶詰を盗んだとことが発覚し、結局デーヴィーは部屋を出ていく。生活に窮したグレーテには、高級サロンで身を売るしか残される道はなかった。一方マリアにはエゴンという恋人がいたが、不実な彼には他にも複数人の恋人がいた。エゴンに金を貢いでいた彼女は、ついに高級サロンに身売りする決心をする。彼女がパトロンと風評の悪いホテルへ行った夜、隣室でエゴンが他の女と密会しているのを見てしまう。エゴンが帰った後、嫉妬で逆上したマリアは、相手の女を殺した上に、犯人はエゴンだと証言する。しかし我に返ったマリアが自首したため、エゴンの冤罪は晴れた。グレーテが初めてサロンに出た夜、たまたま居合わせたデーヴィーに身持ちの悪い女と誤解されてしまう。危うく魔の手に陥るすんでのところで誤解がとけて彼女はデーヴィーによって救い出された。ついに貧しい民衆は蜂起し、金持ちが集う高級サロンを襲った。混乱の中、貧しい女達を弄んでいた金持ちの肉屋の主人は血みどろの死体となっていた。
アニマル泉

アニマル泉