Aix

盲獣のAixのレビュー・感想・評価

盲獣(1969年製作の映画)
3.6
江戸川乱歩原作、青空娘やこの子に七つのお祝いなどで知られる増村保造の作品。盲目の男が不気味なアトリエに女を監禁する話。

なかなかぶっ飛んだ変態映画でした。ジャンル的にはスリラーとホラーと恋愛をミックスした話ですが、とにかく今作はセットが素晴らしいです。気持ち悪いし、インパクトがあるし、よく出来てるなと感心させられました。これだけ強烈なセットを上手く活かせられてたのは撮影と役者の演出が良かったからだと思います。最近の邦画はクソ過ぎる美術が少なくないので、ちょっとは今作を見習って欲しいです。

肝心のストーリーに関しては変態ちっくで悪くはありませんでしたが、脚本が所々おかしかったのと、主人公のモノローグがかなり多かったのが気になりました。正直今作の一番不要な要素が主人公の説明的なモノローグだった気がします。せっかく良い映像があったんだから、無駄なセリフをカットするべきでした。

ぶっ飛んだ邦画が見たい人にはオススメ出来る作品です。盲目のスリラー映画と言えば海外だとドントブリーズがあるけど、今作に比べればあの作品はかなり地味だと思います。
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