幕のリア

盲獣の幕のリアのレビュー・感想・評価

盲獣(1969年製作の映画)
3.5
盲の化け物が暴走。
写真展とアトリエの造形は気合充分。
増村保造の指示を全うしたであろう美術さんの仕事っぷり、お疲れっス。

江戸川乱歩の原作は1931年作。
監禁物と言えば英国ジョン・ファウルズの「コレクター」1963年刊行。
65年にテレンス・スタンプ主演で映画化。
日本でもこんな良い材料があるじゃないかと69年の映画化に繋がったと想像される。

登場人物はわずか3人。
緑魔子の瑞々しい肢体の美しさ。
船越英二の精一杯の変態顔と遠慮ないペッティング。
千石規子のいつもの婆ちゃんキャラ。
プロット頼みの脚本で彼ら3人ではさすがに弱いと感じたし、あまりに閉じた世界故にどうしても舞台演劇寄りになっているとも思うが、今も色褪せないアングラ臭は増村保造ならでは。
暗闇でのライティングが妖しく秀逸。

触覚世界のエスカレーション。

「映画は大映」
最近ハマってます。

〜〜

船越英二の森進一おふくろさんよ顔。
幕のリア

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