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鳥のhiroのレビュー・感想・評価

(1963年製作の映画)
3.8
ヒッチコック作品の中でかなり異彩を放っている作品と思う。

ヒッチコック作品の多くは、SFとかホラーみたいなミステリアスで非現実的な話が展開しながらも、最後は鑑賞者にしっかり全部ネタばらししてくれることが多い。「サイコ」も「バルカン超特急」も「めまい」も、最後に脚本の中身を全て見せてもらえるから、観る側も一気に「ああやっぱり現実の世界の話だった」って腑に落ちる。
でも、この映画は謎が謎のままでエンドロールを迎えてしまう。。。そういう意味でかなり新鮮だった。SFの世界がSFの世界のままで終わる感じ。

登場人物は全員どこか謎めいた部分を持ってるし、ラブバードも不気味な存在のまま終わる。街の人々はどこか保守的で主人公を避けてる感じ。脇役も何かを暗示するようなセリフが多くて爽やかな人は一人もいない。

いやはや不快で最高な映画です
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