ほ

鳥のほのレビュー・感想・評価

(1963年製作の映画)
3.8
やっと観た!この時代のアメリカ映画の空気感、男女の会話がロマンに溢れててすき。
この時代に合成技術を駆使してこういう動物パニック映画を作ったっていうのもすごいけど、今観ても面白さが色褪せないところがやっぱり流石だ!思ったよりラブコメ要素やキャラクターの人物描写がしっかりしてて、そこだけでも面白い。

鳥が人間を襲う理由は最後まで明かされないが、そこがこの世の理をすべて解き明かしたつもりでいる人間にとっては本当の恐怖なんだろうと思った。
理由がわからない、相手の感覚を理解できない恐怖というのはスピルバーグの『激突!』とかとも共通するところですよね。論理とか駆け引きが通用しないのが怖い。

でも何でヒッチコックはこのキャラクターでこのストーリーにすることにしたのか気になる。「鳥が集団で人間に襲う」というシンプルなコンセプトだけでは映画にならないと思ったのかしら?「愛はあらゆる試練を乗り越えて生き延びる」云々の伝えたいメッセージがあったからなのだろうか…

音楽を使ってないのに飽きさせないテンポ感、ちゃんとドキドキする演出、すごい。煙草を吸っている間に後ろで烏が集まってくるシーンが忘れられない。小学校で歌ってる歌が延々と終わらなくて怖い。あの歌長すぎだろ!

ティッピー・ヘドレンの目がすごく綺麗で、本当にお人形さんみたい。ボデガ・ベイの街から浮いてる感じもすごくいいし、悪戯っぽい顔も恐怖で貼りついた顔も似合う!
ほ