くわまんG

菊次郎の夏のくわまんGのレビュー・感想・評価

菊次郎の夏(1999年製作の映画)
4.0
俺たちの物語はこれからだ…
で終わるのに面白い。ありそうで無い、たけし軍団のにっこりロードムービー。

見どころ:
笑いの神様ビートたけし
だるまさんが転んだ
久石譲のテーマ曲が反則
全く辛くない北野映画
そのぶん力強さは控えめ

あらすじ:
東京、浅草の夏。小学生の正雄は祖母と二人暮らし。父は事故死、母は出稼ぎに行ったきりで顔も知らない。夏休みは孤独感が猛威を振るう。
一方祖母の顔見知り、52歳の菊次郎は年中夏休みのろくでなし。食わせて貰ってる妻の言うことだけは辛うじて聞くが、基本的には無法者。
ある日正雄は母の住所を偶然知り、わずかなお小遣いを手に出立。それを見つけた菊次郎の妻は、暇な夫を子守りにやらすことにしたのだが…。

生まれて初めて感情と対峙する正雄と、それを消化しないままオッサンになった菊次郎の旅路。躓いたり転んだり仲を深めつつ母に再会、と普通ならここでおしまい。でも良いのはその後なんですねぇ。

辛いことはそりゃあるけど、笑い飛ばしちまえばいいじゃねえの!てなわけで窒息寸前だった少年は浮上し、湿気た中年のハートには灯が点る。
一念発起に年齢制限無し。明日への燃料を爆笑付きで、疲れた心身にオススメです。