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アナコンダのよーだ育休準備中のレビュー・感想・評価

アナコンダ(1997年製作の映画)
4.0
アマゾンの奥地に住む幻の部族(シリシャマ族)を追う撮影クルーが、遭難していた密猟者を船に招き入れた事から歪み出す人間模様と、彼らに襲い掛かる大蛇《アナコンダ》の脅威を描く。


◆90年代の技術で描かれる大蛇!

蛇を題材にしたモンスターパニックの代表作。今と比べてしまうとどうしても技術の粗さはあるものの、《人と接する際の質感》と《襲い掛かる時の迫力》をアニマトロニクスとCGを巧く使い分けて表現している。微妙に手を加えられたデザイン・お腹に人型が浮き上がる気味悪さ・内部カメラからの丸呑みショット等、要所要所で表現の工夫も凝らされている。


◆Jon Voightの怪演が光る!

アナコンダの脅威もさることながら、招かれざる客、密猟者Serone(Jon Voight)が醸し出す気味悪さがいい味を出している。謀略を巡らせ、言葉巧みに船を支配していく様子は、何をするかわからない心理的な怖さ・不気味さがある。物理的なアナコンダの怖さとまた違ったベクトルの怖さを見事に付加している。(声が高いのはご愛嬌)

ラストで吐き戻された後にウィンクかましたのも遊び心があって良かった笑


◆愛らしいツッコミどころが満載

よっしゃヘビでパニック映画を作ろう!アマゾン川でクルーズだ!発想も見せ方も演者も凄く良かったのに、ぽつぽつツッコミ所がでてくる。

●あまりにも唐突な初回の見せ場
アナコンダが初めてクルーに牙を剥くシーン。何のお膳立ても前振りもなく、パクっと行く。びっくりする前に唐突すぎて笑けてくる。

●瀕死の船長(恋人)<胡散臭い現地ガイド
Seroneの策略により一刻一秒を争う容体の船長を尻目に、蛇に食われたガイドを「一日待つ!」と言ってのけるヒロイン(Jennifer Lopez)。え?いいの?

●本来《鳴けない》蛇が絶叫
釣り上げたアナコンダが「キェェェェェエッ!」と激しく叫ぶ。インパクトを出したかったんでしょうね。

《水中で蜂を差し向ける》《Saroneの傷の超回復》《吐き戻しウィンク》等、色々と突っ込み所が多いのも、これはこれで観ていて楽しい。パニックのはずが割とほっこり観れた。