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西鶴一代女のkazu1961のレビュー・感想・評価

西鶴一代女(1952年製作の映画)
4.0
▪️JPTitle :「西鶴一代女」
ORTitle: ※※※
▪️First Release Year : 1952
▪️JP Release Date : 1952/04/17
▪️Production Country : 日本
🏆Main Awards : 1952年度 ヴェネツィア国際映画祭 国際賞
▪️Appreciation Record : 2022-062 再鑑賞
🕰Running Time : 137分
▪️Director : 溝口健二
▪️Writer : 依田義賢、原作:井原西鶴
▪️MusicD : 斎藤一郎
▪️Cast : 田中絹代、山根寿子、三船敏郎、菅井一郎、松浦築枝、進藤英太郎、沢村貞子
▪️Review
封建社会の中で自我を貫こうとし女の悲劇的な流転の人生。これでもか!これでもか!と畳みかけるように不幸なエピソードが描かれます。封建社会であるが故の女の立場、そしてその弱さ、美人であるが故に男に好かれ、弄ばれる。そんな人生の無情を抉り出して描いた作品です。
井原西鶴の『好色一代女』を原作に、溝口健二監督が描いた文芸大作です。代名詞にある『好色』とは色好みのほかに、美人、そして遊女をもさしています、その言葉に主人公の女、お春の人生が見事に包含されています。
溝口健二監督にとって、意欲と技術とが見事に合わさった最高傑作と評価されるに至った作品です。ここぞというシーンでの長回しを活かしたショットの数々、説明を排した様式美の描写からは、どんどん不幸になっていく女の哀しさと強さが観るものに際立って伝わってきます。
そして、お春を演じる田中絹代の変幻自在な名演は、世界的に高い評価を得ました(この時田中絹代43歳、個人的には若かり日の演技には多少の無理は感じましたが、そんなことは些細なこと、若かりし日の高貴な女性から、熟年となり遊女となるまでの変幻自在の演技は圧巻です!!)。
さらに本作は、ヴェネツィア国際映画祭で国際賞を受賞。後のフランス、ヌーヴェル・ヴァーグにも多大な影響を与え、ヨーロッパ映画界では長回しの流行を生じさせることになったと言われています。
余談ですが、三船敏郎が出てるのは再鑑賞のテロップで気がつきました。。。
日本映画界における祖を作った名作の一つ、本作も観るべき作品ですよね。

▪️Overview (映画. comより)
溝口健二監督の「武蔵野夫人」に次ぐ作品で、製作はやはり児井英生。井原西鶴の『好色一代女』に取材して溝口健二が構成を練り、「武蔵野夫人」「大江戸五人男」の依田義賢が脚本を、吉井勇が監修に当たっている。撮影は「唐手三四郎」の平野好美である。出演者は、「稲妻草紙」の田中絹代、「馬喰一代(1951)」「霧笛」の三船敏郎、「結婚行進曲」の山根寿子、「風ふたたび」の浜田百合子、「ある夜の出來事」の宇野重吉のほか、清水将夫、菅井一郎、近衛敏明、市川春代、進藤英太郎、柳永二郎、加東大介などの脇役陣である。
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