ちーくん

西鶴一代女のちーくんのレビュー・感想・評価

西鶴一代女(1952年製作の映画)
3.6
溝口健二監督作品。本作は主にフランスのヌーヴェルヴァーグの監督たちに影響を与え、ヴェネチィアでも金獅子賞を獲って溝口監督の名が一躍世界で広まった作品ということで気になってはいたんですが、個人的にはあまり好きではなかったというのが正直な感想です。影響を与えた部分は長回しという撮影手法だと思うんですが、やはり自分は「雨月物語」や「山椒大夫」などといった美しすぎる映像を観ているからか、そういった映像表現があまり無かったのが少し残念でした。ストーリーも今観ると理不尽なところがあって、言い方悪いけどちょっと狂ってるなと思った。身分が違うってだけで恋愛したら打首とか、一番おかしいなと思ったのは「産ませていただいた」という文言ですね。とんでもない言葉だなと思う。女性がモノとして扱われていたのを象徴するような言葉ですね。主人公のお春の周りにいる男も父親含め全員ろくでもなくて、もうちょっと幸せになってくれよって可哀想に思ってしまった。こういうの観てると当時の女性の忍耐力って半端じゃなかったんだなと思いました。
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