Moeka

西鶴一代女のMoekaのレビュー・感想・評価

西鶴一代女(1952年製作の映画)
4.2
トントン拍子なまでに不幸と不寛容に追いかけ回されるお春、自由で無垢な恋が許されなかったことをきっかけにこんな人生を送ることになるとは...嫉妬に狂う女の怖さはやっぱ生き霊っているよなってほどの凄みがあるけどもそれもいいように人の人生を利用する粗暴な男たちのせいであって、でも金に飛びつく卑しさは男も女も一緒に描いていて面白かった お母さんの存在も昔は彼女も全く意思が受けいられなかった経験があるんだなって思わせた、堂に並んだ仏像を見て笑い合う街娼たちの姿をみて泣きたくなってしまった
田中絹代さんはアメリカにも少し渡った人でそれでかぶれだって超叩かれて、この役で復活を遂げた女優さんらしいんだけど溝口監督に愛されてても監督やりたいってなったらこいつにその脳は無いって言われたらしく
こんな小柄な女の人で今よりもっともっと権利がなかった時代で精一杯逞しく全うされた方なんだなって思うとまた泣いてしまいました(語彙)
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