さっ

西鶴一代女のさっのレビュー・感想・評価

西鶴一代女(1952年製作の映画)
4.5
こんなにむごい話だとは……『浮雲』とかにも通ずる男たちの穢らわしさ

『千と千尋の神隠し』でカオナシが金をばらまいて遊女や下男が群がるシーンはこれが元ネタだったの?

屋敷の多数の部屋をまたぐ長大な移動撮影。松平家の家臣が女たちを集めて一気呵成に品評やる長まわしとか、女性蔑視の冷酷な笑いも含めて強烈

お春が勝之介と結ばれた次のシーンで二人は逮捕され別離する、彼女が島原へ行くよう父に言われた次のシーンではもう働いている、堅実な男との出会いに続く場面では既に結婚していて、さらに続いて夫が死ぬ……プロセスがほとんど無い

お春が尼になろうとした寺で強姦されるところと呉服屋の女将の髪を猫に食いちぎらせるところが壮絶

音楽がほとんど無くひたすらどんよりひてるのだが、その分、終盤で息子に駆け寄る彼女の姿に重なる琴の音色が胸を打つ
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