しんたにゆき

西鶴一代女のしんたにゆきのレビュー・感想・評価

西鶴一代女(1952年製作の映画)
3.7
「このような女がいてほしい」ではない。
カメラがいつも遠くから人々を追いかけて、どうにもできない感、なすがまま
仏像群を、それまでせんど翻弄されてきた男(としての人々)の顔に似ている、といって夜鷹仲間に笑ってみせるくだりの凄み からっとした冷笑と諦め、「女にそうであってほしい」救いがこれなのか。

みていると女であることが惨めになる。おんなどうしでさえ、殺し合うか慰め合うことしかできない。
男や女に生まれるということは、男でも女でもない何者かにならなくてはこれ以上この世で生きて居たくない、という実現不可能な願望を抱えることではないだろか。