西鶴一代女の作品情報・感想・評価

「西鶴一代女」に投稿された感想・評価

魅入ってしまった。
少し引いた長回しの画が主人公の人生を傍観している気分にする。
 薄幸な女、、などと申しますが、主人公のお春に訪れる幸福な時間は、彼女の生涯に於いてペラッペラに薄い逢瀬とまぐわいの一時だけでして、溝口監督的名物カメラ長回しとは対称的に非常に短く、哀れです。

 女性総合職の上がりから→客もつかない立ちんぼにならざるを得なかったお話は、依田義賢にて脚本書いてまして、本作成功要因の中でも大きいでしょう。

 海外から帰国した時のKYな姿に対し「明眸老いたり」とバッシングを浴び低迷していたかつての名女優。
 10年以上も浮上出来ずに底なしスランプ沼で溺れかけていたかつての巨匠監督。
本作はこの巨人二人を再び陽の当たる場所へ引き上げることに見事成功しましたよね。

 あとは個人的に注目した点として、、、
◎“お腹さま”という、完全にまぐわいヤーとしかみてない呼称を与える無神経さに唖然。
◎おっ、加東大介と沢村貞子が姉弟出演してます。
◎活動写真時代からならした名バイプレイヤー、菅井一郎扮するお春の父親新左衛門の屑っぷりもポイント高いッス。
可哀想な女。
ペイン

ペインの感想・評価

3.8
「よこがお」を作る際に深田監督が最も意識した作品らしいけどこんな感じなのか?

田中絹代演じるお春の転落っぷり、13歳から老婆まで演じ分ける田中絹代の凄まじさ。

ただ溝口作品、何本か観てきたけど個人的にガツンとハマったものはまだない…
tarouman

taroumanの感想・評価

3.0
国立映画アーカイブ
お得意のロングショットによるカメラワークは21世紀の現代でも充分に通用する斬新さで流石は溝口なのだが、なんだろうかどうも今一つ没入できず、島原からどうやって足抜けしたのだろうかとか、進藤沢村夫婦の店にどういう伝で入ったのだろうとか、猫は犬じゃないから鼻は効かねんじゃねとか、いろいろ気になりながらの2時間。
当然ながら田中絹代は圧倒的な演技力なのだが、ああいう汚れ役となるとお品が良すぎるのも痛し痒し。
絶頂と絶望の組み合わせが繰り返される構成は少々マンネリ感は否めず、などと相も変わらずの失礼千万、どうぞお聞き流しください。
溝口の女可哀想。腹立つ。
yuka

yukaの感想・評価

3.7
転がり落ちていく女の話

うぶな少女や傲慢な太夫、幸せそうな妻、惨めな街娼を演じ分けた田中絹代は本当にすごい
10代の役なんか無理ありすぎるけど、声がいいんよね

しかしこの映画は「この女」がひたすらかわいそうな目にあうだけの印象で、女そのものの悲哀を描く溝口のほかの作品のほうが好きだな
なんでこんな辛い映画作るんや…笑

中盤くらいからぐっと面白くなるんだけど、湖出てこないので溝口ベストには挙げたくならない…
じゅんP

じゅんPの感想・評価

3.8
突き放すなぁ。すするを通り越して浴びる泥水。作為を感じさせないほどナチュラルに流れ来る社会の非道や人間の業を、すべて受け切って達する化け猫の境地。

殿の妾を探しにきたじじいが集められた女性という女性の見た目を罵りまくったり、見た目と金だけでしか客を見てない置屋の主人が二転三転態度を豹変させまくったり、ストレスで髪が生えなくなった女将が猜疑心と嫉妬を爆散させて主人公の髪切りまくったり、そーいうのを延々うわぁ〜って眺める、生臭く酷薄なIt’s a small world。
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