明日2月13日は日活の鬼才・鈴木清順監督の一周忌。
今や清順美学は海を越え、世界中の映像作家に影響を与えた巨匠の一人として今後も愛され続けることでしょう。
清順美学の開花点といえば"エースのジョー"こと宍戸錠を主演に迎えた傑作『野獣の青春』が一般的かと思われますが、
そもそも清順監督が初めて彼を主役に起用し、同じく大藪春彦の原作を映画化した作品が同年、先に制作された『探偵事務所23 くたばれ悪党ども』であります。
英題は『DETECTIVE BUREAU 23 GO TO HELL, BASTARD』
はい！カッコいい。
ハードボイルド作家・大藪春彦の世界観に快活なコメディタッチを添加させ、60年代のスタイリッシュさを存分に引き出した清順監督の手腕&ジョーの良キャラが冴え渡ります。
ヤクザの闇取引に割って入り、ブツを横取りする謎のギャング集団が横行！
そこへ警察の援助を得て組織に潜入する私立探偵をジョーが好演します。
星ナオミの可愛さや彼女との唐突なミュージカルシーンも最高に素敵だし、
本ヒロイン笹森礼子の美しさもグッとくること間違いなし。
関西弁を操り随一のコミカル演技を魅せる初井言栄の存在感も天晴れ。
クリスマスシーズンに巻き起こるハードボイルドアクション！
マシンガンが吼えまくる！
日活で生まれた清順美学はジョーと共に『くたばれ悪党ども』で培われ、『野獣の青春』で開花し、そして問題作『殺しの烙印』で一旦燃え尽き、『ツィゴイネルワイゼン』の再起まで清順監督は力を蓄えることとなるのでした。
そして本作でも飄々としたキャラクターを魅せてくれた川地民夫さんの訃報が本日伝えられました。
慎んでご冥福をお祈りいたします。
