誰か来るのを待ってたんだ。
まさかそいつがボブ・ディランを歌えるやつだったとは。
ボブ・ディランを歌いながら本屋を襲って広辞苑を奪おうとするお話。
話運びは少し不思議な感じ。
河崎、椎名、ブータン人のことが、本屋襲撃と共に明らかになっていく。
音楽も少な目でじっくりと、そしていずれわかるが切ない。
引っ越してきた椎名はボブ・ディランのお陰で隣部屋の河崎と知り合うが、彼らのそして彼の物語は目下進行中。
「君(椎名)は彼らの物語に飛び入り参加してる」
この言葉の意味がだんだんと分かる頃には河崎に感じる思いも変わっていた。
神様を閉じ込めるために、機能するあのコインロッカーの使い方。
「神様に見て見ぬふりしてもらうんだよ」
という言葉選びは好きだった。
物語の前半と後半で、鳥があのように使われることになって.....やっぱり切ない。
新しい何かが始まるって、ただ前に進んでばかりもいられないんでしょうか。
振り返って過去が絡まってそこから生まれる何かがある。だから神様今だけは見ないでねって。