こたつむり

アヒルと鴨のコインロッカーのこたつむりのレビュー・感想・評価

3.8
原作:伊坂幸太郎×監督:中村義洋のコラボレーション第1弾。

伊坂幸太郎氏のセンス溢れる文章をよく映画化できたものです。それだけでも高得点なのに、鑑賞後に残る余韻が堪りません。そりゃあ、両氏のコラボレーションが続くわけですな。納得。
ただ、あえて難点を挙げるならば、再鑑賞には向かない映画、ということでしょうか。

つまり、スルメのように長く噛んで楽しむ作品ではなく、最初に観た印象を心の中で大切に取っておくタイプ…線香花火のような作品です。チリチリと燃え盛る瞬間を退屈と感じる向きもいらっしゃるかもしれませんが、その当たり前のように流れる時間があるからこそ。最後の火種が落ちる瞬間が綺麗なんだと思います。

ということで、未見の方は睡魔に襲われそうな時間帯は避けてご覧ください。途中で寝てしまったら大切なファーストインプレッションが台無しですからな。
というか、未見の方が羨ましいです。これから線香花火を楽しめるんですからね。きー。

最後に。
未見の方への印象操作にならないように気を付けながら、本作の感想を。
僕はアヒルも鴨も大好きです。
でも、両方が同じ池で泳いでいる場面を見たことはありません。残念です。
僕の体験が貧弱だからなのか、それともそれが通常なのか。出来ればアヒルと鴨が仲良く泳いでいるところをたくさん見たいな、と思います。

どちらも、お尻がプリッとしていて可愛いですからね。
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