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アヒルと鴨のコインロッカーのjiroのレビュー・感想・評価

4.1

「The answer is blowin’ in the wind 」
2016年にミュージシャン初のノーベル文学賞を受賞した、ボブディランの風に吹かれてが題材になっている。この映画ではボブディラン=神様である。

この題名が何を意味しているのかは物語の最後の最後になってやっと分かる。また鑑賞者を必ず騙してしまう様々な仕掛けが施されており、物語が途中で180度大きく変化していくという。こういう騙し方もあるんだな。絶対騙されるから反則ともいえるけど、ドルジ、河崎、琴美の3人の物語があまりにも切なくそんなことはどうでもよくなった。広辞苑盗む映画ってなんだよと予告編で観るのをやめてしまっていた自分が浅はかだった。このトリックを原作では映像なしに文字だけでどうやって成立させたのか気になるので、原作も読んでみたいと思った。伊坂さん東北大法学部卒業みたいで、それが椎名の設定になってましたね。
※以下内容にふれます

登場人物の詳しい情報を伏せてミスリードさせる方法を叙述トリックっていうのですね。椎名が初めて会った時、俺が河崎、隣の隣がドルジって言ってたし、広辞林とか河崎と川崎のくだりとか伏線もあったけど本当のドルジの日本語が上手すぎたのであっさり騙されましたね。

題名の意味はラストに分かるのですが、アヒル=ドルジと鴨=椎名が、過去の過ちを神様に見てみぬふりしてもらうために、2人にとっての神様=ボブディランをコインロッカーに閉じ込めてしまったということですね。

ドルジが横断歩道に飛び出した後どうなったかの描写はありませんでしたが、僕は助かったと信じたいですね。しっぺ返しを食らった可能性もあるけど、ドルジと琴美の出会いを彷彿させるし、最後にコインロッカーが一瞬映るので見てみぬふりをしてくれたのかなと。。最後の解釈分かる方は教えて欲しいです!
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