伏線だらけで、ストーリー後半になるにつれて印象がガラッと変わる作品だった。
伊坂幸太郎の原作を読んだのは結構前で、
どういう内容かをほぼ忘れていた。
仙台の大学に通うために実家からアパートに引っ越してきた椎名は、お隣さんの河崎から本屋強盗の話を持ちかけられて…というストーリー。これ以上は何を言ってもネタバレになる。それくらい様々なところに伏線が張り巡らされていた。
本作のテーマソングといえるボブディランの「風に吹かれて」は大学生の時に原作を読んで知ったが、とても良い曲だ。素朴ながらもどこか物悲しい感じがして、しみじみとしてしまう。
それにしても、濱田岳のトボけた感じの演技は大好きだ。憎めない三枚目役の演技が絶妙。
奇妙なタイトルについてはラストでその理由が明かされる。「神様、この話だけは見ないでほしい」…登場人物たちはこの後どうなったのだろうか。ハッピーエンドであってほしいが、それは鑑賞した人に委ねられている。
白か黒かで綺麗に割り切れないラストには考えさせられた。ボブ・ディランの歌にある通り、“答えは風に吹かれている”ということか。