原作を読んでいないので、なんとも言えないが、自分の理解力が足りないのか、
面白しろいのか疑問に感じてしまう映画だった。
この映画はおそらく何度か観た覚えがあって邦画の中では有名なんだけれど正直ここまで内容が無いとは思わなかった。
日本人に限らず人間は今ある現実に対して見てみぬフリをすることが多い。
他国の人間や他人が困っていたとしても、内心「声をかけなきゃ」と思っていても自分には関係ないと蓋をする。
優しい人もいて、それに該当しない人もいると思うが、圧倒的にそういう人がいるのをこの映画は伝えたいのであろう。
そんな中、ドルジや琴美、河崎はどうだろう。
河崎は後にエイズで死ぬことになるが、エイズというものは、今でも偏見や差別が払拭されない問題である。
ドルジは、外国人と言うこともあり、アヒルとカモのいわゆる閉鎖的関係の中で見てみぬフリをされている一人。
外国人=危険な人という差別や偏見を受けている。
そして琴美は、動物を心から愛し、どんな相手に対しても誠実に接することができ、人一倍正義感が強い。
この3人の少数派の人間たちの気持ちを繋ぎ合わせたのは、ドルジの生き方であった。
自分の命にたとえ危険が及ぼうとも、輪廻転生を信じていて死ぬのが怖くない。
そんな考え方を知って、琴美も河崎も命がけで犬を救うドルジに惹かれていったんだと思う。
そして結果的に命を失うことになってしまうが、彼女の見てみぬフリができない強い気持ちそして輪廻転生の考え方が動物たちを助けることになった。
ちょっと軽率すぎる行動だけど。
ドルジも見てみぬフリができなくて、復讐に走ることになる。
最後に神様を閉じ込めるっていう表現があるけれど、これは見てみぬフリをする世の中だからこそあえて、神様にも見てみぬフリをしてもらおうという皮肉だと思う。
椎名も今までは、見てみぬフリをしてきた一人だけれど、これからは彼らのような少数派になっていく。
そして彼らも生まれ変わり、別の人間として、たくさんの人々や動物たちを今でも救っていることでしょう。
なんとなくそうなんだろうなというメッセージは伝わってきたものの、全体的にまとまりがなかったです。
あと、復讐を肯定しているように感じるのでもうちょっと表現を変えた方がいいかも。
ディランの風に吹かれても取って付けただけで必要性が感じられなかったので非常に残念だった。
動物に危害を加えていなくても虐待するシーンは、見てられない。
それも見てみぬフリをしていることになるんだろうな。
メッセージ性の強い映画でした。