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座頭市と用心棒のcatmanのレビュー・感想・評価

座頭市と用心棒(1970年製作の映画)
3.8
この手は基本的にお祭り企画なので、物足りなさを感じるのは想定内。ただ初期の座頭市や黒澤明の三十郎に比べると、二人のキャラクターがあまりに俗っぽく変わってしまっているので終始居心地が悪い。ちょいちょい見せる二人の茶目っ気(ギャグ)にシラけてしまう。そんな調子だから座頭市の第1作で天知茂との間に生まれた様な緊張感やケミストリーは生まれるはずも無い。まーでもその辺りは時代性もあるし、ファンサービス重視の大衆娯楽路線としては王道なのかな。若尾文子はそれは確かに綺麗なんだけど、やっぱり人物描写と設定が中途半端。滝沢修と神山繁のクールで知的な台詞回しは好きだ。米倉斉加年の悪役は造形が現代的でどことなく中村獅童感ある

伝説的な二大キャラクターの競演を魅せると言う重責は立派に果たしてるし、業界内にあっただろう様々な障害をクリアして勝新とミフネと言う二人の怪物を並び立て作品として成立させたのは天晴れと言うべきなんだろうか
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