好きかどうか聞かれると微妙だけど凄いかどうかだと凄い。というか壮絶。
遊郭の女という得意な生き物の様々な道を見せてくれる。
男性がこういった場所に行く時、自分の生きる俗世間と隔てられた異世界のような位置付けであろう。
自分も興味本位で行った飛田新地がまさにそれだった。日本にこんな場所があるのかという思うほどのカルチャーショックだった。入るつもりはなく、ただ通るだけだったのになぜだか浮き足立ってしまうあの異様さは極めて説明がし辛い。
そこで生活を営み男を迎える女たち。どんな気持ちで知りあったばかりの人を抱くのだろう。その心情がとても正確でそれだけでも見応えがあった。
季節の移ろいと共に主人公が成長していき、同時に様々な花魁たちが花を咲かせ散って行く。まるで人生の縮図のようにそこでは栄え衰えていく。
何を持って女性なのか、何を持って花魁なのか。それに葛藤する主人公になんだかいたたまれないような切ないようなそんな感覚になった。
自分でも知ってるような女優達が胸をさらけ出して演じており、鮮烈だった。
まあでも好きかどうか聞かれたらやっぱりこのくらい。